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北へ

札幌に日帰りの旅。
おそらく東京では開かれることのない展示なので、これは見逃せない。しかもあと4日ほどで終わってしまうとあって、後先考えず会社を休むことにし、格安の航空券を見つくろって4時台の電車に乗り、飛行機にぶらさがってやってきた。
10度近く違う気温差と南風のはずなのにやけに冷たい向かい風が念のために持ってきたジャンパーを通じて肌にしみる。ようやく中島公園に至り、北海道大神宮の祭事でたくさんの屋台が出ている散歩道を歩くが、平日の午前というのに人が多い。浴衣の男性女性も歩いているが、気温は上がる気配も無い。ただ向かい来る老若男女の表情はにこやかだ。
作家の一生を丁寧に、生原稿もたくさん展示して、見やすい規模で示してくれた。もっともっと作品を読み込んでから来ればよかったと後悔。芥川賞候補に5回も。バブル前後の浮かれた時代に、明らかに彼の作品はその輝きを認められることが困難だったのか。競合した作品が優れすぎていたのか?いや該当無しの年もあったのだから、明らかに彼の作品が時代のどぎつさに、その輝きを認められずに時間が過ぎてしまったのではないか。文学に生きることを決意し、生きて死んだ。自ら死んだ彼の作品を受け取り、自分に何が生まれているのか。やはりちゃんと読み直そう。早く帰りたい。